一般社団法人全日本きもの振興会とは

教育事業

全日本きもの振興会では下記の指導・教育事業を実施しています。
・高等学校教育〔和服着装初級・中級・上級認定制度〕
・大学教育〔きもの学による大学生教育〕
・一般市民教育〔きもの学による市民公開講座(シティーカレッジ)〕
・専門教育〔きものコンサルタント認定制度〕

大学教育「きもの学」講座

「きもの学」講座は、一般社団法人全日本きもの振興会から京都学園大学へ寄付講座として提供し、同大学の開設科目として、また同時に、大学コンソーシアム京都の単位互換科目兼シティカレッジ(市民公開講座)科目として実施しています。
きものは、これまでふれる機会のなかった若い世代にも、知的好奇心をかき立てる教材で、若者は知ることによってきものに対する関心を喚起されることを期待しており、若者層へのきもの知識の浸透、そして業界関係者の再教育に資するという目的で取組みを行なっています。
受講生は近畿を中心に全国各地から参加され、大学コンソーシアム京都で開催される市民公開講義(シティカレッジ)の中でも有数の人気講座となっています。
講師陣は専門家としての評価の高い研究者、一般的にも著名な有識者、実績のある工芸作家など、多様な各分野の第一線で活躍中のすぐれた講師の方々にご来講いただいています。

高等学校教育事業の展開

昭和52年より学校教育法に基づいて設置された全国の高等学校及び短期大学を中心に、家庭科教育の場を通じて簡易和装縫製・着装等を内容とした教本及び作品集を製作配布し実技指導教育を行ってまいりました。昭和56年より平成5年の間には着装教育に加えて、「型紙によるきものの製作講習」を実施。その間の昭和56年には全国高等学校長協会家庭部会が実施する「技術検定2級試験」に、「型紙によるきものの製作手法」が認められ、その後、技術検定受験者が大幅に増加する大きな成果を上げています。
きものの学校教育を展開して以来、これまでの間に着装教育や製作講習や各種の教材等の提供を通じて、約20万人以上の先生や生徒が参加しています。

高等学校に対する「和服着装認定制度(初級~上級)」の実施

<合格証の交付>
継続的なきもの教育と「資格の得られる着装教育の実施」をとの高等学校からの要望により、財団法人全国高等学校家庭科教育振興会の後援を得て、指定のカリキュラムに基づく和服着装認定条件を満たした学校で、所定の成績を得た生徒に対し、本会より「学校教育和服着装」の合格証の交付を行っています。

(ア)学校教育和装着装講習カリキュラム「初級講座」

初級講座では自分で、きものを着てなごや帯を結ぶ事を条件とします。
  講 義 実 技 時 間
第1回 きものの各部の名称
下着について
ゆかたの着こなしポイント
下着のつけかた
ゆかたの着付
半巾帯の結び方
2時間
第2回 きものを美しく着こなす為のポイント
きものを着た時の注意点
きものの着付(長襦袢からきものまで) 2時間
第3回 帯について
(なごや帯と袋なごや帯の違い等)
帯締め・帯揚げについて
きものの着付復習
なごや帯の太鼓結び
帯締め・帯揚げ
2時間
第4回 きものの種類 きものの着付
なごや帯の太鼓結び
2時間
第5回 きもののマナー 総復習 2時間
第6回 成果発表(筆記・実技試験) 1時間

(イ)学校教育和装着装講習カリキュラム「中級講座」

中級では自分で礼装が着こなせて人にきものを着付け、なごや帯を結べる事を条件とします。
  講 義 実 技 時 間
第1回 礼装晴れ着について
伊達衿について
伊達衿をつけて晴着を着る
なごや帯の太鼓結び
2時間
第2回 人に街着を着付けるときのポイント 人に着物を着付ける
(長襦袢からきものまで)
2時間
第3回 きものと季節 人に着物を着付ける 2時間
第4回 人に晴れ着を着付けるときのポイント 人に晴れ着(伊達衿付)を着付け、
なごや帯を結ぶ
2時間
第5回 きものと帯の調和 人に晴れ着を着付け
袋帯の簡単な変り結び
2時間
第6回 きもののお手入れ方法 総復習 2時間
第7回 成果発表(筆記・実技試験) 1時間

(ウ)学校教育和装着装講習カリキュラム「上級講座」

上級講座では人に礼装を着付け袋帯にて変り結びが出来ることを条件とします。
  講 義 実 技 時 間
第1回 きものの寸法 自分で晴れ着(伊達衿付)を着る
袋帯の二重太鼓を結ぶ
2時間
第2回 きものの要尺 女物の袴 2時間
第3回 振袖を着付ける時のポイント 振袖の着付 2時間
第4回 日本の文様 振袖の着付復習
(袋帯の簡単な変わり結び)
2時間
第5回 家紋について 袋帯にて創作帯結び
(各自で製作し名前を付ける)
2時間
第6回 総復習 2時間
第7回 成果発表(筆記・実技試験) 1時間

専門教育「きものコンサルタント」育成事業

本会は、きものに関する知識の普及を通じて国民の民族衣裳に対する国民の再認識と衣生活の向上を図ることを目的として設立されました。その目的を達成するために必要となる指導者の育成を昭和45年3月1日より行っています。
本事業は、一定の条件を満たす本会正会員のきもの学院各校にて実施し、これまでに約13,000人の認定実績があります。認定された皆様は、きものに関する専門的知識や着装技術を兼ね備えた「きもの指導者」として多方面で活躍されています。

<認定証の交付>
本会指定の課程を修了し、認定試験に合格した方に対して「全日本きもの振興会認定きものコンサルタント」として認定し、認定証を交付しています。

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