
「きもの文化検定」を全国に広げる拠点の役割を果たすのが、全国16地域に設けられた地区実行委員会の存在です。
きもの文化検定への様々な啓蒙活動を行い、検定受験の促進を図る役割は、前線の指令本部の役割を果たします。まさに、検定活動を支える土台であり柱といえるでしょう。
今年、その地区実行委員会の一つ、静岡地区実行委員会副実行委員長の要職に就かれて、検定活動の推進に力を発揮していただいた、この人に地域での検定推進活動のあれこれを聞いてみました。
「静岡地区は、これまで大都市圏では岡山についで全国6番目の受験者数と聞いていますが、今年もほぼ同じ水準を保ったようです。今回は、NPO法人和装教育国民推進会議加盟の専門店さんを中心に、ポスターの配布や要項の手渡しなどを早くから進めてきて、それなりの手応えも感じていたのですが、やはり、不況の影響でしょうか、応募者数は思いのほど伸びていないと言うのが、私の率直な感想です。」
「実は当初、今年は昨年を上回って受験者数が伸びると、思っていたのです。それといいますのも、検定受験を推進する側の地区実行委員会の役員体制が、今回で2回目の静岡は、随分充実してきたと感じていたからです。この地域は、浜松から伊豆方面まで広くて、しかも、地域特性の異なるエリアをカバーしますから、とくに推進体制の整備が欠かせません。ポスターや要項、PRうちわなどを郵送する連絡網も整ってきて、万全とはいえないまでも、体制の整備では大きな漏れはなくなったと思います。それだけに、検定試験のPRも広く行きわたって、それが受験者数の伸びにつながる、と期待していたのです。ところが、最終近くに数字を聞いてがっかりしました。この結果には、いろいろな面から原因を検討していかないといけませんが、やはり、昨今の経済状況が大きく影響したことは間違いのないところでしょうね。それでも、不況に負けた、では今後につながるものが生まれてきませんので、さらに普及活動を強化するには何が必要かなどを見つめ直すことが必要でしょうね。」
「これはあくまで、個人的な感想ですが、この地域は、たとえば浜松はゆかたの製造業の方がいらっしゃいますし、静岡や伊豆方面では着付け教室や小売業者の方が中心を占める、というように地域特性が異なりますし、そのことからくる、検定事業に対する意識の微妙な違いもあるように感じます。こうした、地域特性を尊重しながら、この事業に結集していただく共通項をアピールしていく、その推進力を持つことでしょうね。それに、ポスターの手渡しなどで感じたことですが、専門店さんでも個々で受け止め方が随分異なります。熱心に、その場でポスターの貼付をされるところもあれば、昨今の販売不振からでしょうか、検定どころではない、と言う風にお座なりに受け取られるお店など、対応は様々です。こうした実情には、地区実行委員会としては対応に限界がありますから、やはり全国組織できもの振興への意識や取り組みの啓蒙を図っていただくことが必要になってくるのではないでしょうか。」
「受験者やこの事業に関わっておられる人の間から聞かれるのは、やはり、受験のメリットです。合格資格を活かす道がないものか、ということですね。経済状況がこれだけ逼迫してくると、皆さん、資格を活かすことに真剣です。その要望に100%答えることなど、とても出来きれないでしょうが、少しでも合格の先に光が見えれば、受験環境は大きく好転すると思います。難しい課題ですが、やはり避けては通れないことではないでしょうか。それに、もう一つは、1級試験の難しさです、昨年、当地域からは16人の方が受験されましたが、合格者はゼロでした。1、2級試験が難しすぎる、という声が上がっています。上級資格では問題が難しくなって当然、という声もありますが、やはり、受験を勧める立場では、あまり難しすぎるのも問題だと思います。」