リレーインタビュー

第十七回
【業界人も進んで受験を】
きもの文化検定 検定委員長 田中 隆

今回は受験者数が伸び悩みましたが、感想はいかがですか。

「総数では、前回を下回り、前々回を少し上回ったところ、と言う結果でしたが、1万人の大台を越えられなかったことや受験の裾野を示す5、4級受験者が減った(2523人)のは主催者としては残念なことでした。しかし、今の状況からみて、総数で7000人を超える人に受験いただき、初めて試験会場に足を運んでチャレンジくださる方が2500人以上にも達するのは嬉しいことだと、私は前向きに受け取っています」

数字だけでなく、受験への取り組みぶりなどはどう見ていますか。

「市田(ひろみ)先生も言っておられたのですが、事前セミナーでは受験生の熱心な受講振りで教室は大変な熱気だった、と。コアな(核となる)きものファンの存在に触れて心強かったとも伺っていました。これは、われわれにとっては心強いことで、単に「きもの文化検定」にとどまらず、将来のきものファン層の広がりに確信が持てることだと思うのです。その意味では、きものの検定試験は、きものマーケットの健在さを計るリトマス試験紙でもあるようです」

問題点としてはどのようなことがあげられますか。

「この検定試験の審議会座長に就任願っています千玄室氏はこの前の会議に出席されたときに業界人が率先して受験することの重要性を強調されていました。このことがクローズアップされてきたように思います。10月最終の日曜日は、どの問屋さんも、秋の催事の最盛期です。1年で最も忙しいときと言えるでしょう。そんな時に“試験どころではない”という声が現場からも経営者からも上ってくるのはむしろ当然のことでしょう。しかし、だからこそ、チエを出し合って、業界自らが受験率を高める工夫をすることが大事なのではないでしょうか。そうした意気込みと言いますか、取り組み姿勢はきっと反映されるものです。率先垂範、きもの知識の普及ときものの良さを伝える業界内伝道師を作り出す事業に参加したいものです」

その他の課題では。

「千玄室座長のもう一つの指摘は、検定試験となると、やはり社会通念上から言っても資格メリットといいますか、特典を考えないといけないと言われていました。これについては、この文化検定が始まったときから委員会内部の問題意識として共有してきたことで、京都検定でも、観光案内に携わる人、例えばタクシーの運転手さんとか観光ボランティアの皆さんとかの資格証明に利用されている面があります。「きもの文化検定」資格も、業界がそれぞれの資格が生かせるよう方法を考えていくことが大事になってきた、と痛感しています。資格を生かして、きものの販売の現場できっちりした説明が出来るということになれば、消費者の信頼が強まって販売の側面援助に役立つ。そうなれば、一般受験者にも、また業界受験者にも取得メリットが出てきますから、企業の応援も得やすくなるというものです。資格を生かす方法を考えていくべき時にきたと言えます」

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