リレーインタビュー

第八回
【長い指導歴で全国に“着付け”の種まき】
日本きもの教育センター・会長 尾川充江子さん
<(社)全日本きもの振興会正会員>

間もなく40年にもなるきもの着付け指導歴。和装全般に及ぶ技術と識見の高さは多くの人が認めるところです。新聞、雑誌、テレビなどのマスコミを通じての発言の機会も多く、全国に教えを乞うた生徒さん達のネットワークが自然に出来あがってもいます。毎年、そうした人達が全国から馳せ参じて、有名ホテルの会場を借り切って「きもの愛好家の集い」が開かれます。会場を埋める参加者の数は年々増えているから、立派なもの。

しかし、本体の「日本きもの教育センター」はその名前からも想像できるように、一般の着付け教室とは異なります。「組織運営に縛られたくないから」と全国に教えの“タネ”を蒔くことをもっぱらにしてきました。そのタネから発芽して成長した教え子らがそれぞれに教室を開き、全国に広がっています。愛好家の集いはそうして広がった組織の全国大会とでもいうべきものでしょうか。そこで教えられるのは、単に着付けの技術指導にとどまらず、きものの歴史考察から始まって、当然身につけておくべきマナーの講義など多岐にわたる内容です。「私の主義は、マナーでも現代の暮らしにあったマナーはどうあるべきかを考え、それを“こうしなさい”とおしつけるのではありません」というように“おだやかな”講義を心がけるといいます。そして、きもの着付けについては「教室がもの売りの場になるようなことなく、また着付けのテクニックだけを教える場にもしたくありません。着付け指導が必要とされた“原点”に戻って教えていきたい」。

あまり知られていないが、きもの振興に寄与するテレビ番組が尾川さんの企画により放映されています。スカイパーフェクトTV(通信衛生テレビ)の「伝統文化放送」の中で、これまで11回にわたって放映された「きもの、美の世界」という1時間番組がそれです。きものの持つ様々な要素を尾川さんの解説や時には著名人との対談で進行する内容です。年末から来年初には続編が放映される予定です。「業界に関係のない人がきもののことを使命感で放映しておられる。この姿勢から学ぶものは多いはず」ときもの業界の市場振興への積極姿勢へ檄を飛ばしています。

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